修復部門
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修復部門
愛知や岐阜を中心に修理物件の受け入れを行っており、地域文化財の保護保存に努めています。また、大学教育機関として、修理技術者を招聘した大学院生向けの保存修復実習などを通し、文化財にかかわる人材の育成にも取り組んでいます。
修復作業工程
日本画(絹本)作品の修復作業
「毘沙門天」岐阜県岐阜市真長寺「十二天像」のうち
①修復前の状態
汚れ、傷みが見られます。
②表打ち
絵の表側に布海苔で和紙を貼り付け補強します。
③肌裏除去
傷んだ裏打ち紙を丁寧に除いていきます。
④補填(ほてん)
欠損部分を裏から絹で補います。
⑤表装
本紙、裂きれに新しく裏打ちし、仕立て直します。
⑥完成
修理後作品
油画作品の修復作業
①修理前の状態
絵具の浮き上がり、剥落が見られます。
②解体・清掃
額縁から作品を取り出し、画面を清掃します。
③ 亀裂、および浮き上がり接着
膠で亀裂や浮き上がりを接着します。
④ 充填・整形
絵具の欠けた箇所に、ボローニャ石膏と膠水溶液を充填し、整形します。
⑤ 補彩
充填・整形を行った箇所に溶剤型アクリル絵具を用
い周囲の色調に合わせて補彩をします。
⑥ ワニス塗布
保護層とするため合成樹脂ワニスをスプレーで塗布
した。
⑦完成
修理後作品