仮張り作り
修復の作業では様々な道具を使用しますが、その中には市販されておらず特注で作っていただくものや、必要に応じて自分たちでて作るものもあります。本日は仮張り作りについてご紹介します。
仮張りとは裏打ちを行った本紙や裂を糊止めし、ピンと張った状態で乾燥させるために使用する板で、格子状の木組に和紙を貼り重ね、柿渋を塗って作ります。柿渋には防水性があるため、乾燥後にはがしやすく、また仮張り本体が傷みにくくなる効果もあります。
こちらは骨縛りという工程で、下地骨と呼ばれる木組に糊を付け、紙を貼り付けているところです。これを表裏両面行い、さらに蓑かけ、蓑縛りと和紙を貼り重ね、柿渋を塗って仮張りの完成となります。
この下地骨、骨縛り、蓑かけ、蓑縛りといった構造は屏風や襖、和額装などにも共通する構造で、仮張り作りがこのような表具工程の練習にもなります。