肌裏上げ -修復工程紹介-

本日は現在進行中の修復作業についてご紹介いたします。

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こちらは掛軸装から周りの裂を取り外し、本紙裏面に接着されている裏打ち紙を除去しているところです。
掛軸装の仕立てでは、本紙の裏面に肌裏打ち、増裏打ち、総裏打ちと最低でも3回の裏打ちが行われますが、解体修理では、本紙を傷つけないよう細心の注意を払いながらこれらの裏打ち層を1層ずつはがしていきます。
本作品は幅1m、高さ1.5mあまりの大きな作品のため大学院学生も含めて数人がかりでの作業となりました。
こちらの作品は、補修の必要な欠損・傷みもほとんどないため、新たに裏打ちを行い裂も取替えて修理完了となります。